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    昔がたり-仲ちゃんの話

    2012'09.02 (日)

    仲ちゃんの話-天神様(3)

    クラガリ身の毛がよだつ とはこのこと。
    足の裏から髪の先まで電気が走り抜けた。
    キクオちゃんの様子を伺うなんて、仲ちゃんには
    もうとっくにそんな余裕は無かったが、
    隣でやっぱり凍りついているのがわかる。

    そいつは黒っぽい顔をしていた。
    小さい池の向こう側だから、
    たいして離れた距離じゃない。
    なのにどうしてかよく見えない。
    夕暮れどき薄暗がりに、黒くて痩せたそのナニカ。
    他に似たものを見たことがないから、
    例えようもわからない。
    低く身を起したその姿から
    ブラブラぶら下がったものやら、ボタボタ滴るものやら、
    あんまり綺麗なものじゃないのは確かだった。
    大きな目玉がこっちを凝視している。

    ややしばらくにらみ合って、仲ちゃんはふと気がついた。
    (襲ってはこないのか)
    すると「ナカチャーーーン」と小さな声がした。
    すぐそこにいるのに、十万億土から聞こえてくるような遠い声だった。
    それは女の声だった。
    (え?なんでオレの名前知ってんだ?)

    仲ちゃんは、まだ女を泣かした覚えはない。
    いや、隣の席の大きなカズコを1学期に泣かしたかも知れない。
    待てよ、3歳で亡くなったというすぐ上の姉じゃなかろうか。
    そもそもなんで3歳で亡くなったのか聞いてないぞ。

    緊急事態が発生すると、誰しも瞬時にいろんな思いが頭をめぐる。
    小学校2年生の男の子なりに、それまでの人生経験の総動員だ。

    ぎょろりと大きな目玉の、でも白目が真っ白できれいな気がした。
    他の部分については、どうしても記憶に残っていない。
    それほど真っ白で、きれいな白目だった。

    (つづく)
    昔がたり 昭和初期 小学生仲ちゃんの話。
    通常の記事更新の合間に、ゆっくり書いて行こうと思います。
    気分が乗ってきたら毎週になるかも?…わからないです。
    のんびりお付き合いください。

    前後の話は、カテゴリ「昔がたり」でまとめて読めます
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    23:00  |  コメント(4)  |  トップへ  |  EDIT

    Comment

    次回も楽しみに(^_^;)
    ユーアイネットショップ店長ウチマル   
     2012年09月03日(月) 06:23 | URL | コメント編集

    ついに、出ましたな!!
    やはり、人間のいちばん念の籠ったところといえば、
    目、なのですね・・・

    この写真がもうすでに、
    この世のものではいような~~~~(><)’’’
    NANTEI   
     2012年09月03日(月) 16:46 | URL | コメント編集

    ★ウチマルさんへ

    いつもありがとうございます。
    おはな   
     2012年09月03日(月) 22:39 | URL | コメント編集

    ★NANTEIさんへ

    ちょっとした幽玄の土地に住んでますので。

    嘘、近所の公園ですよ~。
    この植物は名前を知らないのですが、
    白い葉っぱがとてもきれいなんです。

    白と黒ってやっぱり特別な色だと思いませんか?
    日本人の目は、清廉潔白の白に、宇宙の深淵の黒です。
    おはな   
     2012年09月03日(月) 22:40 | URL | コメント編集

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