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    昔がたり-仲ちゃんの話

    2012'09.01 (土)

    仲ちゃんの話-天神様(2)

    クロアゲハ段をあがりきったところには、対の石燈籠。
    滝のように、オーシンツクツクが鳴いている。
    天神様の鈴を鳴らすと意外に派手な音がして、
    仲ちゃんはギクッとなった。
    キクオちゃんが手に持ったキュウリを扉の前に置く。
    二人は真顔を見合わせて、小さい社の裏に向かった。
    まだ日が高いのに ひんやりとした 天神様の裏。

    ヒトダマが 普通に 燃えている。




    昭和初期、火葬ではなく土葬が主流の時代。ヒトダマはそう珍しいものではなかった。
    動物の死骸からは、分解の過程でリンが出て発光する。ただ それだけの現象だ。
    柳の下の幽霊も、柳の葉からこぼれるリンが、風にそよいで発光するもので、
    人の心に潜む悔いや恐怖の感情が、それを知り人の幽霊に見せる。
    だから。女を泣かせてはいけないと上の兄さんに教わった。

    二人はやぶ蚊に刺されながら、崖の途中で盛んに静かに
    燃えるヒトダマを見つめ、身体を潜めて時間が過ぎるのを待った。
    秋の日はつるべ落とし。
    逢う魔が時(おうまがとき)が迫ってくる。
    雨がポツリと落ちてきて、何かが身を起す気配がした。

    (つづく)
    昔がたり 昭和初期 小学生仲ちゃんの話。
    通常の記事更新の合間に、ゆっくり書いて行こうと思います。
    気分が乗ってきたら毎週になるかも?…わからないです。
    のんびりお付き合いください。

    前後の話は、カテゴリ「昔がたり」でまとめて読めます

    【追記】
    あ~あ、明日から新学期だのに、宿題はどうするの?仲ちゃん。
    それに、天神様になんで…キュウリのお供え物なの?
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