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    いけばな

    2011'07.27 (水)

    燕子花の夏花

    カキツバタの夏花今日、燕子花の夏花が咲きました。
    え?燕花子の旬って、5月じゃない?

    そう、5月から6月にかけて、美しい
    花をたくさん見せてくれた、
    あの燕子花(カキツバタ)たち。
    ひとつの苞から、つぼみが次々に出てきて、
    6月には、2番花どころか
    4番花まで咲いたのもありましたよ。
    5月15日の記事「燕子花の2番花」
    その後、梅雨も終わって
    しばらくは花が休憩していました。
    燕子花のプランターを庭から畑に移して、
    お礼の肥やしをたっぷりやって、
    お芋が太るように、乾燥ぎみに管理していました。
    ところが先週、台風6号が、ゆっくりゆっくり移動して雨が長く続きましたよね。
    それで、またプランターの水位が上がり。

    たいへんだ たいへんだと咲く 燕子花

    燕子花の生態について → 5月9日の記事「生花一種生燕子花」

    立花 燕子花一色(拙作)燕子花の夏花は春花のように、
    すくすくと素直な姿ではありません。
    花の茎がくねっていたり、
    葉の先がぐるぐる巻いていたり、
    とても変化があります。
    だから、生けるのが難しいけれど、
    その分おしゃれな生花になりますよ。
    また、春より葉が硬いので、
    ワイヤーを通しても切れにくく、
    立花にも向いていますね。

    写真の作品は、立花 燕子花一色(拙作)、
    盛夏の表現。先生のお宅でのお稽古です。
    春の作品の写真と比較して見ると、
    雰囲気の違いがわかりますでしょ?
    5月4日の記事「立花 燕子花一色」
    5月の燕子花が「娘盛り」なら、
    7月のかきつは「女盛り」と言ったところでしょうか。
    何度生けても飽きない、本当に魅力的な花です。

    次回は燕子花の「株分けの生花」の予定です。
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    土いじり

    2011'07.23 (土)

    ゴーヤ姉妹 3


    今日も涼しかったですね。
    そろそろ稲穂の花が咲く頃なのに、こんなに寒くて大丈夫でしょうか。

    うちのゴーヤ姉妹は、すくすくと成長し、とても大きくなりましたよ。
    ゴーヤ姉さんは、新緑の楓のような美しい葉をたくさん茂らせています。
    ゴーヤ妹の方は、実がこんなになりました。
    実がたくさん付き過ぎて、葉があまり茂りませんから、
    緑のカーテンの役目を果たしていません。あまりに重そうなので、
    ちょっと早めですが、実を取って、今日のおかずになりました。
    ゴーヤチャンプル、おいしかったです。
    食べきれなかったので、半分は生のまま刻んで冷凍しました。来週も食べられます。

    今日は、携帯電話からの投稿です。
    PCが不調なので、近々修理に出さなければなりません。
    そのときに備えて、予行演習です。

    ゴーヤ成長記録の記事へのリンクを追加しました。
    4月30日の記事 ゴーヤチャンプルのために
    5月31日の記事 ゴーヤ姉妹
    6月15日の記事 ゴーヤ姉妹2
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    2011'07.21 (木)

    はす 花展の花 制作過程

    はすの自由花(拙作)の制作過程を公開します。
    こういうのは普段、あまりひと様にお見せすることはありません。
    花展で、自分の最高の完成作品を見ていただくのが、本来のあり方ですからね。
    でも前にも書きましたが、2年間の試行錯誤の中で、考えすぎちゃった結果、
    花展当日の作品が、完成度の一番高い状態とは、私には思えないのです。
    他になりわいを持っていて、いけばなに集中できる時間の制約も相当あったので、
    仕方ないと言えば仕方ない。とは言え、あ~修行不足、トホホ。
    だからそれを補うためにも、今、皆さんに、いっしょに見ていただくことで、
    私は勉強し直そうと思います。

    1①これが最初の素案です。
     古いものから順に並べてあります。
     写真をクリックすると少し大きくなります。
     ガラスの中に「白い人」が入っているのがわかりますか?

    2②それから少し考えて、縦長になりました。
     花展会場の席の割当サイズは、縦横だけ決まっていますが、
     上は天井まで使ってよいのです。
     「大きいほうが目立つ」という打算が働いたのかも…?
     ここまでは自宅での試行錯誤です。

    3③これは稽古場での練習です。
     襖の模様が映って綺麗でしょう?
     私が一番気に入っているのはこれ。
     先生が後でじっと見ていたので、
     気持ちが引き締まって
     緊張感のある作品に
     なっていると思います。
     この作品を作っているとき、
     私の頭の中にあったイメージは
     「夢見る蓮」でした。
     小さなかわいい蓮のつぼみが
     水面下で、明日大きな花を咲かせる
     夢を見ている。
     うしろの大きな花は、
     手前の小さいつぼみが見てる夢、希望の現れなのです。
     だから、本当は開花が欲しかったのだけど、
     花展の前の週に台風が来て、蛇池があんな事になってしまい…。
     7月15日の記事 ロータス タイフーン

    4④ところが、残念なことに、「夢見る蓮」の意図は、
     先生に上手く伝わりませんでした。
     「つぼみが水没していると、花がおぼれているように見える。」
     と指摘され、水面より上に出すように指導がありました。がっかり。
     これは花展1ヶ月前のリハーサル。

    15⑤本番は、なんだか面白みのない作品になってしまいましたね。
     でも、制作過程を通して、蓮の扱い方に慣れて、2日間ちゃんと
     きれいに咲いていましたから、それだけでも良かったのかな?
     花展は私ひとりのものではないので、
     先生にはきっと深いお考えがあったのでしょう。

    16⑥これは横から見たところです。
     大きなつぼみは、水の中ではなく、外にあります。
     ガラスの花器の水レンズを通して、
     花が、より巨大に見えるようになっているのです。
     ①の素案の「白い人」も同様のトリックですよ。

    蓮づくしは今日で終りです。ご覧いただきありがとうございました。
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    おいしいもの

    2011'07.19 (火)

    ハスの実 あれこれ

    ハスの実ハスの実って、
    ハスの花が咲いた後にできる、
    豚の鼻のようなあれ。
    中に大豆のような種子が入っていて、
    青いうちは、生でも食べられます。
    ころころしておいしいですよ。
    レンコン農家の息子さんが、子供の頃
    おいしいのでこっそり取ってたくさん
    食べてしまい、切り口から水が入って
    レンコンがみんな腐ってしまったので、
    親にひどく怒られたと話していました。
    ハスの実の砂糖漬  ロータスティー
    ハスの実の砂糖漬は、台湾のお土産。蓮花茶は、ベトナムのお土産。
    どちらも、いけばなの先生のところでいただきました。
    蓮花茶は、緑茶を蓮の花でくるんで香りを茶葉に移したフレバリーティー。
    すうっと清涼感が残ってさわやかです。蓮の花の香りって、わかりますか?
    PCでは香りが伝えられないのが残念ですね~。効能は、滋養強壮、安眠。

    清心蓮子飲 これは「清心蓮子飲」という、膀胱炎の薬。
     ハスの実の漢方薬です。

    膀胱炎で処方されるのは、通常は抗生剤ですが、良く効く薬は両刃の剣で、
    身体に入った病原菌の撲滅と共に、大腸内の善玉菌も殺してしまい、
    腸内細菌のバランスを崩してしまいます。
    結果的に腸管免疫力を弱めてしまうので、私の場合はどんな感染症も、
    抗生剤をできるだけ早く切り上げて、あとは漢方薬で治します。
    インフルエンザなどでやむを得ず抗生剤を服用したあとは、
    納豆やヨーグルトなど、善玉菌を含む発酵食品をたくさん食べると、
    スムーズなお通じのためにも良いですよ。

    私は、ME/CFSという難病を患っています。
    難病ME/CFSの説明はこちら - Wikipediaより
    身体のあちこちが常に痛み、免疫が健常者の1/3だから、感染症にとても弱いのです。
    日によって痛みの強弱はあるけれど、24時間無休で痛いというのは、けっこうしんどいものです。
    耐えかねて自ら命を絶つ人もいるのが、この病の現実。
    それでも、他人にはうつらない病気なのが、私には救いに思えるのですよ。
    こんな辛い思いを、家族にも、友だちにも、味あわせたくないですからね。
    私が、どうにかまともな精神を保っていられるのは、(いるのかな~?
    日本ではまだ数少ない専門医と出会えた幸運と、漢方薬を中心とした緩和医療があるおかげです。
    それと、夢があるからかな?
    理解しようと努力してくれてる、やさしい旧友たちにも感謝しています。


    象鼻杯こちらは象鼻杯(ゾウビハイ)
    ハスの葉の上に清酒を注ぎ、茎から吸うと
    ハスのエキスが混ざって香りの良いお酒になります。
    私もアルコールアレルギーになる前に一度いただきました。
    とても強い吸引力が要ります。香りを感じる前に、むせました。
    この季節になると、蓮酒の会が各地のハスの名所で催されています。
    話の種に、体験してみてはいかがでしょうか。
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    19:13  |  コメント(2)  |  トップへ  |  EDIT
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    2011'07.15 (金)

    ロータス タイフーン

    103台風6号マーゴンが日本に接近中です。
    台風のネーミングっておもしろいですね。
    今年は台風の当たり年でしょうか。
    「水」がテーマの花展があった年も、
    台風の当たり年でした。
    私は2年がかりで、蓮の自由花を作りました。

    お盆が近づくと、近所の八百屋さんでも
    昔は、ハスの花を売っていたものですが、
    最近は、花屋さんに1ヶ月前から特注
    しなければ、ハスの花は買えません。
    しかもたいへん高価です。

    レンコン栽培農家は、
    この近辺にいっぱいありますが、
    花や葉を切るのをとても嫌がります。
    切り口から水が入って、
    肝心のレンコンが腐るからです。
    食用栽培のハスは花材にはできません。

    千葉公園の大賀ハスは、二千年前の遺跡から出た、古代ハスの種が発芽したもの。
    とても可憐な一重の大きな花が、夢見るように咲いています。
    でも、公園のハスの花も、遠くから見るだけですよね。

    ハスの花材調達のためには、自生地を探さなければ…。

    ここは我が家から車で20分の、蛇池。 おぉ、見渡すかぎりのハスだわ!!!
    101  102  アオダイショウ  ウシガエル
    蛇池は、かなり広く深い農業用水池です。ここのハスは自然に増えたもの。
    用水池としてはハスの繁茂は迷惑ですし、釣人も糸が絡むのでハスを嫌います。
    ここで私が花をとっても、困る人は誰もいません。
    アオダイショウやら、ウシガエルやら。みなさん、お邪魔いたします。

    105岸から裸足で池に入って、
    尻餅ついて、びしょびしょになりながら、
    ハスの花を採取することができました。
    その年は雨不足で、比較的浅いところに
    たくさん咲いていました。
    何度も通って、生態観察し、
    水揚げ方法もマスターできました。

    ところが翌年、
    花展本番の年は、台風の当たり年で、
    写真で見えている草原も完全に水没して、
    岸から届く距離に花はありませんでした。
    花展5日前には台風が来て、池はさらに増水。
    仕方なく、釣人用のボートを借りて、
    ハス群落に近づき、高枝切り鋏でとりました。
    命がけの花材調達でした。

    「智目行足」「いけばなは足で生けろ」の実践。
    でも、もうちょっと、楽な花を選べばよかった…
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    2011'07.13 (水)

    はす 花展の花

    はすの自由花はすの自由花(拙作)です。
    この時の花展のテーマは「水」でした。

    私の所属する華道会支部は、かつては、
    約2年毎に支部展を行っていました。
    ひとつの支部展が終了すると、
    翌月には次の期日とテーマが発表され、
    作品の制作に取りかかります。

    制作期間が長いので、ひとつの作品に
    思い切り深く取り組む事ができます。
    構想→資材集め→試作・検討・修正→相談
    もちろん、1回転ぐらいでは済みません。
    信奉する先生との、感性の擦り合わせ作業。
    それが仙人になるための、長い近道です。

    構想の段階で、たとえば特定の花材をモチーフとした作品を思いついた場合は、
    その花材と2年間の深いお付き合いをすることになります。
    その花が手に入る季節は、その花を毎日手にとって眺め、
    手に入らない季節は、書物で勉強したり、
    絵を描いたり、イメージトレーニングをします。
    そうして、その花が最大に生きるステージを作り上げていくのです。
    (モチーフは花材とは限りません。質、感触、色、形などであったりします。)

    ところが、ですね。
    文章の推敲も、切り上げ時があるように。
    何でも時間をかければ、すばらしく良くなる、と言うものでも無いのです。
    私が花展で発表した、写真のこの作品より、
    先生のお宅で制作した、ひとつ前の試作品の方が、
    私は充実しているように思うのですよ、今、見ると。

    次回は、その制作過程と、はすの花の調達サバイバルの話です。
    今日はちょっと体調不良。
    強いアレルギーの薬を飲んだので、とてもだるいのです。
    なので、今日はこれでおしまい。ごめんなさい。

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    2011'07.11 (月)

    「蓮一色」今週は蓮づくしです!

    蓮一色梅雨が明けたので
    今週は「蓮」づくしにしようかな~
    と思っていたら、絶妙なタイミングで
    あの、新潟のSさんから、
    「蓮一色」の写真が届きました!
    「お花をいける男性」のイメージ
    で登場してくださったあのSさんです。
    テレパシーが届いたのかな~???
    京都の研修所で、日曜日に生けたそうです。

    Sさんのコメント:
    「専好の蓮一色は直と曲の絶妙な
     バランスがポイントでした!」

    う~ん、のびやかで、すてきな線がでてますね。さすがだな~。
    これはもう、私なんかの解説は不要ですね。
    どうぞゆっくりご鑑賞ください。

    と言いつつ、ひとこと、鑑賞メモ。
    仏前の供華から始まった池坊立花の中で、蓮は特別な意味を持つ存在です。
    「蓮一色」には、
    一瓶のうちに現在・過去・未来を表現する、いかにも仏教的な生け方と、
    他の草を混ぜて、池の自然の風情を表現する生け方があります。
    (それでも「蓮一色」といいます。)
    写真の作品は後者の生け方。ススキやコウホネが入って涼しげですね~。
    「専好宗匠」は、池坊中興の祖と言われる立花の名手。
    その作風を勉強する研修会に、Sさんは参加されたのですね。
    うらやましいな~!!

    次回は私の蓮のいけばな作品です。お楽しみに♡
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    2011'07.08 (金)

    クチナシは夕暮れに香る

    近所のクチナシ蒸し暑い夕暮れのこと。
    ふと濃厚なクチナシの香りが漂ってきた。
    パソコン作業の手を止め、窓の外に目をやると、
    白い花が、ぼうっと光って遠く浮かび上がって見えた。
    逢魔刻(おうまがとき)の薄闇に、
    まるで何かを誘っているかのように。
    M先生の家は3軒向こうにある。

    M先生は「立派な教育者」と皆に言われていた。
    40年前に新築のここへ引っ越して来て、
    10年経って妻が心臓病で亡くなり、
    5人の娘が、
    少し年の離れた末の息子の面倒を見て育てあげた。
    娘たちは、みんな一流大学を出て、
    そしてそれぞれ立派な家に嫁いで行った。
    しかし末の息子にはなかなか嫁が来なかった。
    あの時代。車のセールスマンをしていて帰宅はいつも夜中だから、
    出会いのチャンスが少ない環境だったのかもしれない。
    父と息子、男ふたりの生活が、長くなった。

    時が経ち、何度かのお見合いの末やっと、息子に立派な嫁がやってきた。
    音楽大学を出てピアノの先生をしている、若くて美しい、ほっそりした女性だった。
    嫁入り道具のトラックも、たいへんな数で、
    誰よりも、この結婚を喜んでいたのは、M先生だった。
    幸せが、始まるはずであった。

    嫁の様子がおかしくなったのは、1年後くらいだったか。
    顔色が。ものごしが。
    おどおどと、まなざしが空を泳ぐ。
    もとより線の細いからだが、消えてなくなるほど細くなっていった。
    おめでたい話も無いまま、3年。そして彼女は去っていった。

    M先生は世間が認める「立派な教育者」だ。
    家の中で、何が起きたのか、誰も知らない。
    その頃のクチナシの木は、背丈ほどの大木であった。
    むせるほど、たくさんの花が咲き誇っていた。

    5年たって、M家に次の嫁が来た。
    今度の人は、体格も良く、見るからにパワフルな女性だった。
    ほどなく近所の家の嫁たちとグループを結成し、
    どこかの誰かの悪口を大きな声で楽しく言い合っていた。
    品は悪いが、とにかく元気な人であった。
    半年で、子どもも生まれて、M家はにぎやかになった。

    その頃から、M先生のシャツとパンツとステテコが、
    2階のベランダの物干場に、毎日ひと組だけ、ぶら下がるようになった。
    息子夫婦の洗濯物とは、別の場所、別の時間に。
    M先生が、晩のおかずを買いにスーパーへ、独りでスクーターにまたがって行くのを、
    近所の人たちは黙って見送った。

    M先生は世間が認める「立派な教育者」だ。
    家の中で、何が起きていたのか、誰も知らない。
    冷夏で米不足が起きた年、クチナシの木は、上半分が枯れた。

    3番目の子どもが生まれると、息子夫婦は新居を建てて出て行った。
    M先生は、一人、古家に取り残された。
    クチナシと、M先生はだんだん小さくなっていった。
    相変わらず、一人分のおかずを買いに、スクーターで出かけて、
    相変わらず、シャツとパンツとステテコが2階のベランダに、はためいていた。

    雨不足の猛暑の夏、M先生は嫁いだ長女の家に引き取られ、
    その後、5人の娘の嫁ぎ先を転々とした後、
    老人ホームへ入所し、1年後に心臓発作で亡くなった。
    ホームにおいても、お年寄り仲間に「先生」と呼ばれて、尊敬されたそうだ。
    98歳の大往生であった。

    家はその後、永く無人となっていた。
    クチナシは、花を咲かせることも、香りを発することも無かった。
    私は、木は枯れたのだと思っていた。
    家は人手に渡り、ほとんどの庭木が切られて中古住宅として売りに出された。

    そして今年、忘れ去られたクチナシの切り株から、白い花が咲いたのだ。
    家は新しい住人を欲している。
    お盆が近い。
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    家族と生活

    2011'07.04 (月)

    母ピンチです!

    母の具合が良くないです。母は80歳。
    大きな手術を2回経て、現在要介護2です。

    地震以来、なんだか、ずっと調子が良くなくて…。
    帯状疱疹、膀胱炎、食欲不振、微熱、ひどい便秘。
    血圧も安定してないし、よく眠れていないようだし。
    小ピンチの連続です。
    大ピンチにつながらないように、気をつけなければ。
    と思うと緊張します。私も体調良くないので、疲れちゃった~。

    今日は、母はさっきまでかえるになってました。
    私もちょっと、かぶってしまいました。
    何がいけなかったんでしょう?夏ばて???
    水分補給も気をつけてるし、冷房も必要最低限使っているのになぁ。
    夏ばて防止のにんにく料理が、かえって良くなかったのかなぁ。
    いろんな薬をたくさん飲んでいるのも、少し減らせないかしらね。

    今やっと落ち着いて寝ているようなので、いろいろ片付けて、
    私もシャワーを浴びなおしてきたところです。
    腰がミシミシ言っています。ちょっと泣きたい気持ち。

    でも、私の存在価値は、ここにこそあるのだと思うから。
    いろんな、たくさんの大切なものたちを
    あきらめて、捨てて(置いて)来たのは、このためだもの。
    家族のピンチは私が助ける。がんばらねば!!!

    今日は月曜日だから、記事更新しようと思っていたけど、
    こんな時間だから、明日に延期しますね。
    (明日は元気になってくれるのかしら…。)
    また見てくださいね
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    いけばな

    2011'07.01 (金)

    梅雨明けを待つ 自由花

    梅雨明けを待つ 自由花(拙作)雷鳴と共に、大粒の雨が降り始めました。
    梅雨明け間近でしょうか。

    ♪あめふりくまのこ♪
    (クリックするとYouTubeへとびます)
    おやまに あめが ふりました
    あとから あとから ふってきて
    ちょろちょろ おがわが できました

    いたずら くまのこ かけてきて
    そうっと のぞいて みてました
    さかなが いるかと みてました

    なんにも いないと くまのこは
    おみずを ひとくち のみました
    おててで すくって のみました

    それでも どこかに いるようで
    もいちど のぞいて みてました
    さかなを まちまち みてました

    なかなか やまない あめでした
    かさでも かぶって いましょうと
    あたまに はっぱを のせました

    NHKの「お母さんといっしょ」の思い出の歌です。
    とてもゆったりしたメロディと、空想の世界に心を遊ばせる歌詞が、とても好きです。

    子どもの頃の雨の日。
    雨傘をさして、長靴のつま先で、庭の泥に道筋をつけて、
    ちょろちょろ小川をつくって遊ぶのが大好きでした。
    だから、雨上がりはいつも風邪をひきます。
    母が知らない、私のいたずら。

    私が掘った小さな小川が、集まって小さな鉄砲水になり、小さな土砂崩れを起して、
    父の掘った側溝に土が流れ込み、詰って、庭が池になってしまったことがあります。
    父も知らない、娘のいたずら。

    そうして、川沿いの土手や、集中豪雨がいかに恐いかを、体感的に覚えました。
    今年もゲリラ豪雨の季節がやってきます。自然を侮らず、避難は早めにしましょうね。

    写真の自由花。
    花器はガラスの水盤に、アクリル製の鏡の円盤を沈めてあります。
    写真だと、水面がよく見えませんが、アクリルの小さい鏡や小さい円盤が、
    水の表面張力で浮いているのが、分かりますか?
    剣山は、透明アクリル剣山。
    いたずらくまのこが見た、雨の世界を表現しました。
    いけばな 立花 生花 自由花 おはなクラブ 池坊 華道 稽古
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    18:16  |  コメント(4)  |  トップへ  |  EDIT
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