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    いけばな

    2011'09.08 (木)

    秋は月

    鳥のモビール秋です。
    葛の花、虫の声、空にはきれいな月。

    秋月さん、お元気でしょうか…。

    私が、今のいけばなの先生のところに
    通い始めたとき、彼はその稽古場にいて、
    飛ぶ鳥を落としていました。
    たぶん、ふたつくらい年上。
    お育ちが良いのに、眼光鋭く強気、
    色白で長身、傾いてタバコを吸っていて、
    ちょっと危なげな大学生でした。

    もう時効でしょうから、打ち明けます。
    私、秋月さんが好きでした。
    でも、雲の上の月に、ほのかな片思い。
    彼には私なんか見えてなかった。
    と思います。

    その頃、私に初めて、東京の大きな花展出品の声がかかりました。
    彼は前期、私は後期。
    秋月さんの花は、黒格子の鳥かごの中に、赤いバラが1輪咲いていて、
    周りにスワロフスキーがキラキラ光っていました。
    前期のあまたの作品の中で、彼の花は衆目を独占していました。
    私はそれを見に、会場へせっせと通って疲れてしまい、
    肝心の自分の作品に力を発揮できなかった…。
    生け込み当日は、先生に全部いけ直していただく始末。
    おまけに、帰り道は先生の自動車の助手席で眠りこけてしまい、
    気がついたら自宅前。(先生のご自宅と私の自宅は、50㎞離れています。)
    なんという大失態!!

    秋月さんは、大学を卒業すると外資系の会社に就職し、音信不通になりました。
    憧れて見ていただけの私も、連絡先など知らないから、それきり。

    でもね。
    私の作品をいくつか見てくださった方には、この話、ピンとくるんじゃないかな。
    自由花のアイデアに詰まったとき、考えるともなく湧いてくるんです。
    こういうものが。
    思い出は昇華されてアイデンティティの一部になるのですね。
    先生がおっしゃっていた
    「年を取らなければ花は生からない。」とは、このことなのでしょうか。
    8月23日の記事「ブロッコリーの湖」

    この自由花(拙作)は、つり花、モビールと言う形態。
    ベースの鳥の部分もPPシートで自作です。(鳥かごは既製品)
    私の白い鳥かごは、扉が開いています。
    鳥は自由になって、自分の空を探しに飛んでゆきます。
    いけばな 花 花器 花瓶 立花 生花 自由花 おはなクラブ 池坊 華道 稽古
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    23:50  |  コメント(4)  |  トップへ  |  EDIT
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