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    いけばな

    2011'06.24 (金)

    「悪女」

    「悪女」と聞いたらどんな想像をしますか?
    妖艶な熟女?キュートな小悪魔?
    いけばなで「悪女」を表現するとしたら、どんな花?どんな花器?

    自由花を生けるとき、既製の花器をめったに使わないと、私は以前に書きました。
    「花展」などは、特にそうです。
    十分な制作時間を与えられ、作品に独自性を求められる場だからです。

    しかし、そうでない場合もあります。
    花器を作る道具も時間もない、「コンテスト」や「研修」のような場面。
    もらった課題に即座に反応して、より良い作品を作るには、
    完成まで強い集中力を保てるかどうかと、
    創造力の源である知識、それを具現化する技術
    をどれだけ自分の中に蓄えているか、が勝負になります。

    自由花「悪女」(拙作)今回の写真は、そういう状況での作品です。
    午前の講義後、各自テーマを設定し、
    午後の実習2時間で制作すること。
    決めたテーマを途中で変更できないように、
    みんなの前で発表してから制作に望む。
    そういう条件で、
    自由花におけるテーマの重要性
    を勉強する、すばらしい機会でした。

    許された制作時間はたいへん短く、
    研修所には売店もありますが、
    花器を製作する十分な資材は置いてないので、
    研修所の花器庫から花器を拝借するのが
    この場合は、現実的です。

    さあ、みなさん、この写真から、
    私が午前中に掲げたテーマを
    推察していただけるでしょうか?
    って、とっくに自分でばらしてますよね
    そう、「悪女」です。

    これから生けるいけばなのテーマは「悪女」。
    午前の講義の最後に、私がこれを発表した時、先生には
    ちょっとしたヒットだったらしく、黒板にでかでかと「悪女」と書かれてしまいました。
    もう、あとからこっそり変更のしようがありません。

    世界三大美女のクレオパトラ、楊貴妃、ヘレネは、同時に三大悪女と言われますが、
    それは、男性を魅了する力で歴史の流れを変えたことが「美人」とされる所以。

    いけばなも、より多くの人の心を魅了するのが大きな目的。
    (もちろん、それがすべてではありませんが)
    人の心をつかんで釘付けにし、作品の前を立ち去りがたくできたなら、
    いけばな作者 冥利に尽きるというものです。

    さて、私の作品は、ちゃんと悪女になったでしょうか?
    わかりません。
    それは、この花を見てくださる、みなさんの感性が決めること。

    この年、私は学院の優秀賞をいただくことができました。
    いけばな 立花 生花 自由花 おはなクラブ 池坊 華道 稽古
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