2012'01.01 (日)
祝いの花「万年青(オモト)」

初春のお慶びを申し上げます。
皆様、今年も元気に参りましょう!!
写真は、伝花「万年青(オモト)」生花一種生です。今、床の間にいけてあります。
…ってことは?そうです!やっと!!念願のお稽古に行ってきましたよ~!!!
懐かしい友達や先輩にも会えたし、大好きな先生も とってもお元気そうでした♡
「気構えずに、体調の良い日は、時々おいで。」
と言って下さったので、甘えちゃおうかな~。
万年青 「陰の実にして至って祝儀にすべき物なり」 生花七種伝より
万年青は、陰の季の実として、この上なくおめでたい植物。
(「陰の季」の説明はこちら→12月22日の記事「立花 水仙一色」)
その草姿が、子供たち、若夫婦、親夫婦、年寄夫婦をあらわしており、
家系が絶え間なく相続されて、代々栄える様子を彷彿とさせるからです。
万年青は、正月、結婚式、新築・引越しの 祝いの花として品・格とも最高位。
お友達や親戚のお祝い事に、ぜひ生けてさしあげてください。喜ばれますよ~!
私のお正月のいけばなは、いつもこれ。斑の無い「大宗冠(タイソウカン)」。
斑入りの「都之城(ミヤコノジョウ)」も綺麗だけど、大宗冠の方が上位です。
今回、葉が14枚と実が2個付いて4200円でした。
高価な花材なので、少しでも長持ちするように石穴で生けています。→

なぜか解りませんが、経験上、剣山で生けるよりずっと長持ちします。
明日は、初詣。初売りと初夢宝くじを買いに行きますよん。
我が家の平穏と、東北と日本の元気回復、世界平和をお願いしてきます。
ちと欲張りかな?声と話はでっかいほうが、神様の耳に届くかと思って。
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いけばな作品タグ
(季節)冬 (花型)生花正風体一種生 (伝書)七種傳 (花器)陶器 (花留)石穴 (花材)オモト
2011'12.16 (金)
生花一種生 水仙 3本

と呼ばれる稽古方法があります。
写真は、私が
この荒稽古に挑戦した時の作品です。
私の伯母は戦争未亡人で、
稽古花の卸をして生計を立て、
2人の子どもを立派に育て上げました。
11月15日の記事「花屋さんについて」
そのころ、水仙の栽培農家が
市場へ出荷する単位は200本でした。
刈り取って選別した水仙の花200本を
藁菰(ワラコモ)に包んで
縄でしばって市場に出荷します。
それがちょうど米俵のような形をしています。
通常、生花市場で競りにかけられた花は、仲買人に競り落とされ、
10~50本単位に小分けにされて仲卸店に並び、
それを小売のお花屋が買って行って、一般のフラワーショップに並べます。
でも、水仙200本を売りさばけるような大手のお花屋は、
仲買を通さず直接競りで落としていくので、その分安く仕入れる事ができます。
また、仲良しのお花屋が、数人でいっしょに競り落として分け合うことで、
安く仕入れるという手もあります。伯母はよくそうしていました。
房総の漁港から東京の魚河岸に鮮魚を運ぶトラックが
帰りはカラで帰るのを頼み、仕入れた花を運んでもらいます。
そうやって、伯母は知恵を絞って、安くて良い花材を、
いっしょうけんめい 女学生たちに提供してきたのです。
さて、
「水仙の俵生」とは、水仙200本を俵の状態のまま安く買い付け、
一晩のうちに生花70~100瓶を生けるという荒稽古です。
もちろん、正式な稽古方法というようなものではないでしょう。
私の師匠の師匠が、かつてやったという伝説です。
その話をはじめて聞いたとき私は閃光を見た気がしたのです。
「いつかやってみたい。いや、いつか必ずやってみよう。」
その後、紆余曲折を経て、実現できたのは15年前の事。
当時の私は会社員で、休日返上、毎日12時過ぎの帰宅という日々でしたから、
「正月休みに決行」と心に決め、市場の閉まる27日に水仙の仕入れを頼みました。
さすがに、友達とふたりで100本ずつ分けましたけどね。
1日の午後から2日の午前まで、水仙の生花をひたすら生け続けましたよ。
2本生を20瓶、3本生を20瓶、合計40瓶。食事を挟んで約20時間。
2本生の参考写真はこちら→12月7日の記事「生花一種生 水仙」
真冬の夜中に(花が傷まないように)暖房もつけず
水の中に手を入れていると、指が痺れて頭がボーっとしてきます。
乱暴な生け方になると思うでしょう?
それがね、だんだん上手に早く生けられるようになるものなんですよ。
花が手の一部になってくるような感覚。悟りの境地?(笑)
やってみたらわかることですが。
やってみると良いですよ~、一度。
「陰の花 水仙に限る」 生花七種伝より
何でも、へ~と思ったら自分でやってみるのが一番ですね。
昨年、伯母は95歳で他界しました。師匠の師匠もすでにあちらのお方です。
伯母が永く仕入れに通っていた浅草橋生花市場は、5年前に閉場になったようです。
時代はたゆまなく流れてゆきます。
若いときの鍛錬は私の大切な財産。
今やりたいことで、今できることは、今残さずやっておきましょう。
活花 活け花 生け花 いけばな お花 花器 花瓶 生花 池坊 華道 お稽古
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2011'12.07 (水)
生花一種生 水仙

この季節になると、
必ず1回は稽古しておきたい水仙です。
写真は、生花一種生水仙2本を生けました。
「陰の花 水仙に限る」 生花七種伝より
清楚な姿、高貴な香、冬季最高の花。
寒風に耐え、北国では雪の下からも
凛として可憐な花を咲かせる日本水仙は、
別名 雪中花とも言います。
昔は冬に咲く花は少なかったので、
本当に貴重な存在だったんですね~。
水仙の生花は、
花、葉、袴をいったんバラバラにして、
理想的な姿に組みなおして生けます。
11月中は2本、12月に入ると2~3本生けます。
花の数や位置など、季節が進むごとに細かな法則があり、
憶えるのはたいへんですが、それは自然の摂理にかなっていて
とても奥深く、何度習っても興趣の尽きない花です。
あ~それにしても、良い香りだわ~~~。


日本水仙(ニホンスイセン)
ヒガンバナ科スセイン属
学名 :Narcissus tazetta var. chinensis
(ギリシャ神話の美少年ナルキッソスが化身した花で、ナルシストの語源。)
原産地は地中海沿岸。室町時代に中国を経由して渡来、野生化した。
弱い毒があるので、たまねぎやニラと間違えて食べないこと!
「水仙の俵生(タワライケ)」と呼ばれる稽古法があります。
一晩に200本の水仙を生ける荒稽古です。
私がこの荒稽古に挑戦した時の作品をひとつ、
次回アップしますので、どうぞお楽しみに。
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